水いぼについて

水いぼがプールで感染するってホント???

「水いぼがあるので、プールに入れません」という話を良く耳にします。水いぼはプールで感染するというのがその理由のようです。
しかし、本当に水いぼはプールで感染するのでしょうか?

・水いぼとは
 「水いぼ」は伝染性軟属腫といい、軟属腫ウイルスの感染で皮ふにイボができる疾患です。感染性の疾患ですが、皮ふに「いぼ」ができるだけで、その他の(合併症)を起こすことはありません。

・感染経路
水いぼがプールの水で感染するという科学的なデータはありません。水泳の際に使用するビート板を介して感染したという事実はありますが、ビート板の使用を中止することで感染は無くなっています。

・治療
水いぼの治療方法は「ピンセットでつまみ取る」(軟属腫摘除)が唯一健康保険の適応として認められた治療方法です。
この方法は子供達にとって相当な「恐怖」と「痛み」を強いることになります。最近は「ペンレステープ」という麻酔テープの使用が健康保険で認められるようになりましたが、それでも「恐怖」と「痛み」は完全に除去することはできません。動くと処置が出来ないため、いやがる子供を押さえつけ処置せざるを得ず、まるで「拷問」のような処置となってしまいます。水いぼの数が多くなると、麻酔の量に制限があるため、繰り返し治療を行う必要があります。治療を行っても、「ある時期」がこないと完治することはなく、また再感染するので「いたちごっこ」になります。
また、水いぼは弱いウイルスであり、免疫がついてくると自然に治るため、小学生くらいになると水いぼにかかっている児童は殆どいなくなります。

・治療の必要性はあるのか?
 福井県鯖江市医師会が1988年に行った調査で幼稚園、保育園に対して水いぼ除去を指導した施設と除去指導をしなかった施設で比較したところ、治療してもしなくてもその後の水いぼを保有している園児の割合に差が無かったことが示されました。さらに、学校保健法、日本皮膚科学科と日本臨床皮膚科医会の統一見解で「水いぼはプールでは感染しません」と明言されております。
水いぼがプールで感染するというのは全くの迷信であり、公にも否定されています。

以上の事を踏まえて考えると、拷問のような苦痛与えてまで行う水いぼの治療は「不必要」「無意味」と言わざるを得ません。