AGA

AGAは男性型脱毛症でAndrogenetic Alopeciaの略です。

男性ホルモン（アンドロジェン）が関係している脱毛症です。

前頭部、頭頂部に脱毛が見られます。遺伝傾向が関係していることもあります。

アンドロジェンは５αリダクターゼという酵素が作用して
ジヒドロテストステロン（DHT）という物質に変化します。
このDHTが毛根を障害して脱毛が生じます。

治療はプロペシアという薬が第一選択です。

このプロペシアは５αリダクターゼをブロックしてDHTを作らせないようにします。

DHT（毛根を障害する要素）がなくなるため、徐々に発毛が起こるという作用です。

すぐには効果はでません。
メーカーも6ヶ月以上の内服を勧めています。

当院でも治療を行っていますが、良い結果がでています。

副作用もほとんどありません。

この患者さんは30代の男性で、内服開始して1年経過しています。

　　「治療前」

　　「1年後」

十分な効果は見られています。

ただし、この薬は中止するともとの状態に戻ってしまいますので、製薬会社はずっと内服するように言っています。

ある程度良い状態になったら、「維持療法」として内服の量を減らす、一定の間隔を空けながら続けるなどの方法でも良いように思います。これについては色々な医師も同様な意見を持っているようですが、そのような「維持療法」としての製薬会社ーの臨床試験は行われていないので、その方法についての具体的なデータはありません。

しかし、薬を数日飲まなくても急に脱毛が起きるわけではないので、今後は増毛が得られたらそれを維持する方法が開発されると考えられます。

最後にインターネットでも薬は入手できるようですが、製薬会社の調査ではかなりの割合で偽物が出回っているようです。わずかしか主成分が含まれていないものや、全く主成分が含まれてないただの粉のような粗悪品があるようです。個人でそれを見分けることは不可能です。それらの多くは不衛生な環境で作られたものが多く健康被害も懸念されます。
薬は病院で処方を受けるようにしましょう。