形成外科とは
形成外科という診療科について具体的にどんな患者さんの治療をするのか、まだあまり知られていないと思います。
いまはネットで調べると大体の情報は得られるようになっていますので、多少ご存じの方はあるかも知れません。
まず形成外科には大きく5つの柱があります。
1、外傷(けが) 2、腫瘍 3、先天異常(奇形) 4、再建外科 5、美容外科
6その他
1外傷
やけど、切り傷、顔面骨の骨折など
手足の骨折は通常整形外科で取り扱われます。
事故等で大きな組織欠損がある場合は再建(皮膚移植とか、皮弁移植など)を行います。
ときどき当院にも腰が痛いのでと言われて整形外科と間違われて受診される方がおられます。名前は似ていますが、全く異なる診療科です。
2腫瘍
皮膚および皮下組織にある腫瘍はほぼ全て治療の対象になります。
また、皮膚がんの治療も行いますが、抗がん剤治療が必要な場合は皮膚科と連携して治療を行います。
3先天異常(奇形)
口唇裂、口蓋裂、手足の異常(多指症、合指症)、小耳症など、生まれつきの体表面の奇形を元に近い状態に戻す手術を行います。
4再建外科
がんそのものの治療を行うことは少ないですが、主に耳鼻科、口腔外科と合同で首から上のガン切除後の大きな組織欠損を修復します。
乳がんの術後変形を再建します。
5美容外科
美容整形という言葉がありますが、これは本当は誤りで美容外科が正しい診療科名です。
しいて言えば「美容外科で手術を受けること」=「美容整形」をする、でしょうか。
最近この分野の発展はめざましいものがあります。二重まぶたにする、タルミをとる、シワを取る、シミ、そばかす、アザの治療も行います。
機械、技術の年々進歩しており、今までは不可能であった治療もどんどん可能になってきています。また従来の治療方法も進化しております。
美容外科は保険外治療であり、保険診療とは異なり、個人医師の裁量によって治療方法、医療機械が購入できるようになっています。
海外で実績があり信頼性があればすぐにでも取り入れて治療が出来るという背景があります。
6その他
眼瞼下垂、褥瘡(とこずれ)、アザのレーザー治療、ニキビ跡の治療も治療方法や技術が発達して盛んに行われるようになりました。
手術以外に自分の体にある幹細胞というものを使った再生医療も徐々に発達してきて、今後注目の分野となりつつあります。
また別ページでその辺りも紹介していきたいと思います。