イチゴ状血管腫の経過

以前もブログに記載していますが、赤ちゃんに発生するイチゴ状血管腫についてです。

生まれたときには殆どの場合何も無いか、ちょっと赤い斑点があるくらいですが、

日にちとともに大きく、赤みを帯びてきます。

生後1年くらいまでは大きくなる傾向がありますが、


その後は小さくなり、赤みも徐々に薄くなってきます。


経過を図で表すと下記の様になります。

過去には自然に薄くなるので、治療は不要と言われていた時代がありますが、


厳密に言うと、その時代には治療する手段がありませんでした。


今から20年くらい前にイチゴ状血管腫を治療できるレーザー装置が開発されました。


たしかに小さいイチゴ状血管腫は何もしなくても「跡形なく」自然にきえてしまいますが、


やや大きい物や、コブ状になるタイプがあり、それらは自然経過では醜い跡が残ることになります。



レーザー治療が行われるようになってからそのような患者様は減ってきました。


しかし、急速に大きくコブ状になる腫瘤型というタイプはレーザー治療だけでは不十分でした。



そこで2年前からヘマンジオルという飲み薬が開発され、使用できるようになりました。


当院ではレーザー治療とヘマンジオル内服治療の両方でイチゴ状血管腫の治療を行っております。


なお、レーザー治療でもヘマンジオル内服治療でも良い結果が出すためには待たずに


なるべく早期のタイミングで治療を行う事が重要です。


特にレーザー治療では生後1ヶ月以内がベストですので、イチゴ状血管腫かも?と思ったら


なるべく早く受診するようお願いします。


写真はイチゴ状血管腫のレーザー治療による経過です。

(血管の多いところを紫色で表す特殊なカメラで撮影しています)


1ヶ月毎に治療を行っていますが、徐々に薄くなっています。