尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

この病気は皮ふに赤い発疹がでる病気です。

表面にはカサブタができて、ぽろぽろと剥がれおちます。

どんな発疹かというと、


このように表面には「雲母状」と表現されるカサブタができます。

かゆみを伴うので掻くと周辺の健康な皮ふにも発疹が広がってしまいます。


色々と研究はされていますが、この病気の根本的な原因はまだはっきり分かっていません。

遺伝的体質が関係していて色々な要素が加わって発生すると言われています。


治療はまず塗り薬になります。


軽症の場合、第一にはステロイドです。即効性があり、かゆみ、赤みは比較的早く収まってきます。

10年くらい前にビタミンD3軟膏という薬が登場しました。

ステロイドに比べると効果の出具合はゆっくりなので、始めはステロイドと併用して徐々にビタミンD3軟膏に変更して維持するようにします。


乾癬の治療上「患部を掻く」と言うのがもっとも悪化する要素になります。

逆に言えば掻かないようにするのが、この病気と上手につきあうコツです。



中等症以上になると、内服治療が適応になります。

エトレチナート、ステロイド、シクロスポリン(免疫抑制剤)などの内服薬ですが、副作用が強いので、注意が必要です。



「最新の治療」

また最近、リュウマチ薬の抗TNFα製剤という新しい薬が乾癬にも適応になりました。

乾癬の場合、通常は存在しないTNFαという成分が多く作られ、乾癬の発生に関係してることがわかり、それをブロックする新しい概念の薬です。


製薬会社の薬品説明会にて話を聞きましたが、通常開業医で使える薬ではないので、米子であれば医大での治療になりますが、従来の治療では効果の無かった重症の乾癬患者さんには治療の選択肢の一つとして朗報ではないかと思いました。